応用力問題の研究<臨床栄養学1>

国試分析第6回目!これまでの5回は→こちらからご確認ください。
今回は、応用力問題のうち、臨床栄養学の出題について考えていきます。

過去3年間で、臨床栄養学としては12問が出題されています。
これは、全教科で断トツの1位の数字です。それでは、もう少し詳しく調べていきましょう。
臨床栄養学の出題のうち、細かな内訳は以下の通りでした。

14197-14198    肥満と代謝疾患
15193-15194    肥満と代謝疾患
15195-15196    手術、周術期患者の栄養アセスメントと栄養ケア
15199    血液系の疾患・病態
16181-16182    肝硬変の食事療法
16183-16184-16184    高齢者と特徴/嚥下の概要と嚥下障害防止

今日は4問出題されている、「肥満と代謝疾患」関連の問題をみていきましょう。
まずは14197と14198について。


この問題を解くためには、まず「BMI算出ができること」「メタボの診断基準を理解していること」「血中の脂質(総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド)の各基準値を知っていること」「高血圧の定義・分類を理解していること」が条件となります。
応用力問題は、本問のように複数の知識の動員が必要、というのが特徴です。
14197については、上記の知識があれば消去法で正解が選べてしまいますが、念のため計算してみると…
LDL-コレステロール=総コレステロール(213mg/dL)-HDL-コレステロール(42mg/dL)-( トリグリセリド〔255 mg/dL〕/5)=120mg/dL
ということで、正解が2ということが分かります。


実は、この計算ができるかで、次に説明する15193-15194が解けるかの分かれ目になります。
上記の式はとても重要ですので、おさえていなかった方は必ず暗記してしまってください。
なお、14198の正解は4となります。詳しくはQB2017年版p676を参照してくださいね。さて、15193-15194についてもみていきましょう。

問題の質としては、トマトはこの問題の方がとても高いと思います。
まず、15193を解くには、「BMI算出」「高血圧の定義・分類」「メタボの診断基準」「2型糖尿病の診断基準」が前提条件となります。これらの知識があれば、選択肢1、2、5は除外できるはずです。ここまでは前の問題とそれほど違いません。問題文をご確認いただくと、キーワードから脂質異常症っぽいな、と感じる方は多いと思います。でも、この問題はそれだけでは解けないんですね。
本問でもキーになるのは血中の脂質(総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド)の各基準値です。

「これらの数値をFriedewaldの式に代入し、LDL-コレステロールを算出する必要がある」と思えるかどうかが、正解できるかの分かれ目になります。実力の差が出る問題といえるでしょう。

LDL-コレステロール=総コレステロール(364mg/dL)-HDL-コレステロール(54mg/dL)-( トリグリセリド〔110 mg/dL〕/5)=288 mg/dL

ということで選択肢2を除外できます。
もちろん、「家族性高コレステロール血症の一因に、LDL受容体の異常がある」という知識があれば、ここまで計算しなくても良いのですが、理詰めで正解までたどり着けると、ちょっと気持ち良いですよね(笑)

なお、15194は「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」を暗記していれば4が正解と選べてしまいます。
15193に比べると、ちょっと物足りない内容です。

応用力問題は、差がつく問題もありますが、知識があれば十分正解できる問題も多いので、焦らず取り組んできましょう。
明日は、臨床栄養学2回目の予定です!日曜日まで、ラストスパートかけていきましょう☆

KAZU ONITAMM